ムーヴィーレヴューと、ささやかなネコ

毎週のようにシネコンに通う筆者<りのづか>による、どちらかというと辛口な映画評論。ネタバレにはある程度は配慮してますけど、ある程度しか配慮していません。ネコ画像のオマケ付き。2007年4月からべつやくメソッドを導入してみました。

20061231

index 2006年12月

20061223

犬神家の一族

オススメ度: C+これが「日本映画史上最大のミステリー」ですか。
底が知れるな。
ミステリーとしては、こんなもんか、って感じです。
というか、小説の映画化って、
ちょっと損だと思うんですよね。
小説だと、文字のみだからこそ、という描写もあるわけで。

イマイチ、詰めの甘いところもあったりして、萎えました。
冒頭、犬神家当主の臨終シーンで、
医者が脈も取らずに「ご臨終です」とか言ってるのは、笑った。
あと、血がけっこう出てきますけど、
一晩経って乾いた血は、あんなに赤くなくて、
錆びた鉄みたいな色になるんですけど、と細かいツッコミ。

まあ、でも、石坂浩二さんが、
あんなに走り回る主役を演じられるほど元気になられたのは、
ちょっとうれしいですね。

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トリック(というべきかどうか微妙ですが)も、
一番の肝となる佐清と静馬の入れ替わりは、
多くの観客が見破ってしまうんじゃないでしょうか。
解りやすすぎ。

あと、松子の自害シーンも、
ちょっとあからさますぎないかな。

もしかして、
リメイクだから、あえてそうしているのかな?
と、好意的に解釈。

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劇場版BLEACH Memories of Nobody

オススメ度: Cこれの原作は、単行本全巻もってます。
ただし、単行本派なので、
アニメ版固有の設定は知りません。

正直、釈然としないところが多々あったなぁ...。
物語も、90分もかけてやるほどの内容じゃないな、って感じですし。
基本、子供向けだから仕方ないのかもしれないですが。
前半、やたらと説明的すぎるやり取りが多かったのも気になります。
とってつけたように、原作の名場面(?)を継ぎ接ぎしてるのも、
なんだかなぁ、って感じ。
オチとかバレバレなので、
単純に戦闘シーンを楽しめってことでしょうか?
そういう意味では、
“戦バカ”剣八と“シスコン”朽木隊長がカッコ良かったです。
主人公の黒崎一護よりもカッコ良かったです。
個人的見所は、以上2点と、ラストシーンか。

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(以下、BLEACHファンのみ解る感じの批判)
出てこなくても良かったんじゃないか、っていう人もチラホラいましたけど。
特に石田雨竜。出てきた意義不明です。
チャドはまだ解るけど。

浮竹隊長は、現世に出て来れるほど体調が良くなったんですね(皮肉)。
その辺も含め、隊長格が出しゃばりすぎでしょ。
まあ、そのおかげで、
十一番、六番の両隊長の勇姿が観られたわけなので、
感謝しておきますか。
特に六番隊長さんは、タイミングが絶妙すぎ。

あと、浦原商店の位置づけが、微妙...。
何でシレッと日番谷君が上がり込んでんだか。
浦原さんも単なる解説役みたいになっちゃってるし。

ラストシーンは、
お子様的には「書いてないジャン!」ってツッコむところでしょうけど、
私的には、ツボ。
ここだけは「一護、GJ!」って思いました。
ちょっと泣けた。

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氷の微笑2 Basic Instinct 2 (R18)

オススメ度: C+
まず、断っておきますと、
私は前作『氷の微笑』を観たことがありません。
(...ホントに映画好きか...?)

前作からずいぶんと時間が経ってますから、
最初、この映画の公開を知ったときは、
「名前だけ借りたパチもんかな?」と思ってたんですけど、
主演は同じくシャロン・ストーンさん。
この時点で、かなり意外。
映画全体を通して最も意外だったのがその点かもしれない。
つまり、
謎解き的な部分は、大したことないな、と。

「誰が殺人者か」という点は、バレバレというか、
別にバレていてもいい、という作りで、
あくまでも、キャサリン(byシャロン)が、
精神科医マイケル(byデビッド・モリッシー)を陥れていく様を
鑑賞して楽しむ映画。

ちなみに、R18らしさは、そんなに期待しない方がいいかな?
物語の設定上、仕方なくそうなってる、
と割り切っていただいて。

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20061210

007 カジノ・ロワイヤル - Casino Royale

オススメ度: C+『007』シリーズとしては、
なかなか生々しくて、おもちゃっぽさが少なかったと思う。
あくまで『007』にしては、という条件付きですが。
ボンドへの拷問シーンとか、
あれは、ホントに痛そう、というか、
絶対にあんな拷問されたくない、と思いました。

ギネス記録に認定されたというカースタントは、
(アストンマーティン DBS が高速走行から横転するシーン)
そのわりには大したことなかったかな?
ちょっとカメラ位置が遠過ぎるんですよね。

それなりに心拍数が上がる作りなので、
観た直後は「まあまあ良かった」と思ったんですが、
時間が経つと印象が急速に薄れていくのは何でだろう。

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重厚感の不足か。
カジノのシーンも、ありえないぐらいの額が動く賭博なのに、
その舞台としては、ちょっと安っぽい。
というか、意外とやることがセコい。
毒を盛るとか、あまりにもベタ過ぎませんか?
その解毒についても、
あんな肩こり治療器みたいな除細動器じゃ助からないのでは? と。
ああ、ここは、MI6の技術力を誉めるところか。

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硫黄島からの手紙 - Letters from Iwo Jima

オススメ度: A
この評価は、『父親たちの星条旗』の分も込みです。
いわば、表裏一体。
『父親たちの星条旗』の方では、日本軍が影のような存在でしたが、
今作は、その逆パターン。
『...星条旗』のほうが、記録映画的な側面が強く感じられましたが、
今作の方は、フィクショナルな要素が多いような気がする。
やはり、生存者が少ないせい?

栗林中将by渡辺謙さんと、西中佐by伊原剛志さんは、かっこよすぎ。
それと対極的に、伊藤中尉by中村獅童さんはかっこわるすぎ(誉めています)。
というか、伊藤中尉の後半の行動は、笑うところですよね?
西郷by二宮和也さんは、ストーリーテラー的な役割ってことかしら?
栗林中将と西郷とのやり取りは、必見です。

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カッコいいところは、特に言及することもないと思います。
「敗走するくらいなら自決」という選択ではなく、
「合理的な判断としての自決」を選んだ栗林と西。
それを別にしても、
勝てないことがわかっていながら、
「我が子らが1日でも長く安泰に暮らせるなら、
我々がこの島を守る1日には意味があるんです!」
と最善を尽くそうとする栗林中将が、
カッコ良くないはずがありません。

で、翻って伊藤中尉。
後半、部下を本隊に返して、
一人で対戦車地雷を抱えて特攻に飛び出すんですけど、
米軍の戦車に(というか兵士にすら)遭遇できずに、
最後には捕虜になる、っていう体たらく。
飛び出したあとのシーンでは、
ほとんど寝転んでただけのような気も...。
あれは、投降するための高度な演技?(笑)

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